会社文化をもみほぐす#04 「心理的安全Barフジツボ」Part1 みんなの才能はじける

池田 智子 / Tomoko Ikeda Fujitsu Works
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富士通には定時後にゆるっと開店するオンラインBarがあります。その名も「心理的安全Barフジツボ」(以下「Barフジツボ」)。
このイベントのディレクターかつデザイナーの視点で、見てきた風景やその時々の思いなどを綴りつつ、企画のツボを探っていきます。

(前回までのあらすじ)
社内に心理的安全性を広めたいという思いで始めた前身イベント。人気を博したものの、看板役メンバーが抜ける事件が突如発生。イベント終了・チーム解散かと意気消沈しますが、残りのメンバーで対話し、気持と視点を切り替えて企画を一新。「心理的安全Barフジツボ」として再スタートを切ります。

今回は、「Barフジツボ」Part1(=第1回目)の模様をお届け。固定の看板役の代わりに一日店長制にするなど、よりオープンな仕組みを試みます。果たしてうまくいくでしょうか?

Director, Designer池田 智子
Graphic Designer寺西 広太郎
Produceフジツボプロ(「心理的安全Barフジツボ」メンバーズ)

初代一日店長おかぴちゃん

「Barフジツボ」、いよいよ居抜き新装開店です。その運命の回を任される初代一日店長は、キャリア入社1年目のおかぴちゃんこと岡田有佳さん(現BP=営業職 *1)、です。

そんな新人さんにイベントを託して大丈夫?


はい、問題ありません。むしろ歓迎!
何しろここは「心理的安全Bar」。誰もが楽しみつつチャレンジできる場のデザインが我らのミッションです。


おかぴちゃんはコロナ禍入社で人に会えずに淋しい日々とのこと。社内に知人を増やす機会になるかも、ということで出演許諾くださいました。

友達を作りたい!というその願い、「Barフジツボ」メンバー一丸となって応援させていただきます。

一日店長とともに作る企画

「Barフジツボ」は常連のお客様として、ふくちゃんこと福田CDXO/CIOに来店いただき、その際お連れ様として役員ゲストを同伴いただく仕組みになっています。この役員ゲスト、前身イベントではレギュラーメンバーが決めていました。一方「Barフジツボ」では、役員ゲストは一日店長とともに決め、イベント全体も一緒に考えるコラボ形式にしました。店長が毎回違う=レギュラーメンバーも毎回企画で新しい挑戦できる設計です。

今回、おかぴちゃんの役員ゲストとして出演をお願いしたのは、かーくんこと湯浅一生 Ridgelinez取締役副社長です。かーくんは、年長者としての落ち着きとフェミニンさのある御方。一方のおかぴちゃんは、フレッシュさと小学生男子のような元気の良さがウリ。このお二人、見事な対をなしています。属性の違う人が掛け合わさると、面白いものが生まれる傾向が強い。うまく行きそうな予感がしてきました。

フライヤー designed by 寺西広太郎さん

おかぴちゃん、大ヒット

幼稚園のころから自分で遊びを考え、友達を巻き込み、みんなで楽しんでいたというおかぴちゃん。イベントが始まればぐいぐい会を牽引、かーくんの人間味あふれる面を次々引き出し、笑いあふれるフラットな場を築いていきます。MC役のタクミン(粟井拓海さん)や私のサポートも全く不要。何かあれば上手く場をリードくださるふくちゃんも、今回は場の流れに身を任せてただただ爆笑していらっしゃいます。視聴者からの応援や温かなつっこみで、チャット欄も大盛り上がり。ガキ大将のようなおかぴちゃんと、懐の深いかーくんの組み合わせ、狙った以上の出来です。すごい!

それにしても。おかぴちゃんのような高いコミュニケーション力は、周囲の同僚デザイナーにはあまりないと言いますか、少なくも私にはまったくない。BPさんらしい能力と言えそうです。自分とは違う特性の人と組むと、新しい景色が見えてくるものだなと、改めて実感しました。

★企画のツボ:あえて属性や能力の違う人々を掛け合わせて、オモシロ化学反応をおこす!
当日の模様

ノンデザイナーが驚きのグラフィック力を発揮

「Barフジツボ」では、一日店長以外にも新しい試みとして、イベント記録用にグラレコ(グラフィック・レコーディングの略。詳しくは次回)を入れるようにしました。


グラフィッカー(グラレコ制作者)を誰にするか?


同僚デザイナーにお願いするのが王道です。ただそれでは面白みがありません。


デザイナーではない社員にチャレンジいただくというのはどうか?


富士通には、デザイナー以外にも自らグラレコを学び、実践している社員が複数いると聞きます。本当か?


富士通のグラレコのゴッドと言われる松本花澄さんに伺ってみたたところ、彼女の下で自主的に修行を積んでいる方々がいるとのこと。試しに声掛けしてみます。すると、BPのせーじろ(植木誠二郎)さんがやってみたいと挙手くださいました。

ところで、非デザイナーのグラレコとは、どんな感じでしょうか?

当日のグラレコ by せーじろ(植木誠二郎)さん

いやはや恐れ入ります。見てください、この完成度!
せーじろさん、しかもリアルタイム制作で、途中成果物の中継までしてくれまして、これにはおかぴちゃんをはじめ、一堂が驚き感動!


グラフィッカーに、デザイナーである/なしの区別はない。意志さえあれば誰でもグラレコできる。目の前でそれを証明いただくことで、自分でもできそうだという自信とやってみようという勇気を、多くの視聴者に届けることができました。

★企画のつぼ:絵を描くのに、職種は関係ない!

祝!「Barフジツボ」出航

「Barフジツボ」Part1はこうして、様々な方の才能がはじける形で盛り上がり、無事終了しました。
チーム解散の危機をきかっけに、思い切ってピボットして臨んだイベントでしたが、やってみればリスクを取った分、新たに得られたものがあったと感じます。とりあえず試してみるのって、やはり大事。


これからも「心理的安全Bar」として、自分を含む多様な人々が楽しくチャレンジできる場をデザインしていきたいと思います。

「心理的安全Barフジツボ」Part1 スタッフロール (所属は2021年11月開催当時)

後日談

一日店長のおかぴちゃんはその後どうなったか?
実はそのままレギュラーメンバーとなり、様々なチャレンジをしてくれることになります。
おかぴちゃんの愉快な挑戦について、次回触れてみたいと思います。お楽しみに。
次回へ続く

*1: 富士通の営業職社員は、2020年度より「ビジネス・プロデューサー(Business Producer: BP)」と呼ばれるようになりました。これまでの顧客に言われたことだけやる”受け売り営業”とは違う、積極的にビジネスを生み出す人という意味。いわゆる「DX人材」。

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