会社文化をもみほぐす#03 「心理的安全Barフジツボ」爆誕す

池田 智子 / Tomoko Ikeda Fujitsu Works
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富士通には定時後にゆるっと開店するオンラインBarがあります。その名も「心理的安全Barフジツボ」(以下「Barフジツボ」)。
このイベントのディレクターかつデザイナーの視点で、見てきた風景やその時々の思いなどを綴りつつ、企画のツボを探っていきます。
今回は「Barフジツボ」誕生の経緯です。困難を乗り越え、イベントをピボットさせた際に実施したことを整理してみます。

Director, Designer池田 智子
Graphic Designer寺西 広太郎
Produceフジツボプロ(「心理的安全Barフジツボ」メンバーズ)

「心理的安全性」を広げたいという思いで始めた前身イベントが、波に乗り始めたかというところで突然看板役メンバーが抜けることになり、まさかのチーム解散の危機です。しかしながら、まだ志半ば。「心理的安全性」は社内に浸透しきっていません。それに、もったいない。自分の得意なことで貢献したいと手を挙げて集まってくれたメンバーから成る、類まれなる良いチームがあるのに…。
何としても続けたい。あなたならどうしますか?

そうです。頭を切り替え、ピンチをチャンスと捉えなおし、創意工夫して進む時です。
困難を乗り越えるために実施したことを4つのポイントで整理してみます。

①問いを立てる

問題解決のために、まずやるべきことは?
良い「問い」ができれば、良い「解」(アイデア)が生まれる、はず。ということで、「問い」を立てることから始めます。

「看板役不在だからこそできることとは何か?」


「看板役がいないことで、いよいよ面白くなる企画とは何か?」

そして、「毎回、看板役を一般社員から募り、一緒に企画を進める」というアイデアにたどり着きました。
看板役メンバーを固定にするのではなく、一日店長制にして毎回変える。その方が様々な社員のニーズを反映した企画になりそうです。また、視聴者の身近な誰かが出演することで、より親近感を持っていただけそうです。

②壁打ちする

次に、出てきたアイデアを、既存メンバーや周囲の人々と壁打ち(=信頼できる人に仮説をぶつけて意見をもらいアイデアを磨く)していきました。所属・役職が様々な人々と意見交換することで、多様な視点からアイデアを検証でき、個人の妄想でしかなかったものが、地に足がついた企画になっていきました。ちなみに、「心理的安全Bar」という名前は、ふくちゃんこと、福田CDXO/CIOのアイデアなんですよ。

縦横なし アイデア出しで イノベーション(池田 ココロの一句)

③思いを伝えて共感してくれる仲間を集める

壁打ちと同時並行で、既存メンバーに自分の思いを語りつつ、継続の意思を伺っていきました。
なにしろ看板役メンバーが抜けるのです。当初はチームの分裂もやむなしと考えていました。なので、全員が残ってくれることになった時には本当に嬉しかったです。さらに、デザインセンターの同僚から新たな協力者を得ることもできました。

一緒に動いてくれる仲間の存在は本当にありがたい。皆で楽しく進みたい、だから頑張ろう、という気持ちになれますからね。私にとって、企画の最大の推進力はチームメイトの存在のような気がします。

「Barフジツボ」について 小関美咲さんにグラレコ作成いただきました。わかりやすい!

④実体のなかったものを見える化して伝える

キーグラフィックは、前身イベントに引き続き、寺西広太郎さんに作成いただきました。寺西さんは1を聞いて10を知り、12以上を表現できる貴重なデザイナーです。「Barフジツボ」の企画をお伝えしただけで、コンセプトの底にある多様性や楽しさを理解し、色彩豊かな楽園イメージを作成くださいました。ちょうど同時期に始まった富士通Uvanceのカラフルなイメージにも合致しています。

寺西さん作のキーグラフィック

寺西さんから素案を見せていただいたとき、企画変更で落ち気味だった私の心とチームの雰囲気が、一気に上がっていくのを感じました。実体のなかったものを見える化し、思いを伝える、心を後押ししてくれるグラフィックのパワー、改めてすごいです。

イベント始動!

①問いを立てる、②壁打ちする、③思いを伝えて共感してくれる仲間を集める、④実体のなかったものを見える化して伝える。
こうして一度消えかけた火が再び灯ります。
「心理的安全Barフジツボ」、爆誕です。
次回へ続く

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