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会社文化をもみほぐす#02 「心理的安全Barフジツボ」誕生前夜
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富士通には定時後にゆるっと開店するオンラインBarがあります。その名も「心理的安全Barフジツボ」(以下「Barフジツボ」)。
今や数百人の方が参加くださるこのイベントは、いかにして生まれた?
ディレクターかつデザイナーの視点で、「Barフジツボ」誕生前夜の想いや紆余曲折について書きつつ、この企画のツボを探っていきます。
Director, Designer | 池田 智子 |
Graphic Designer | 寺西 広太郎 |
Produce | フジツボプロ(「心理的安全Barフジツボ」メンバーズ) |
そもそもの始まり:デザイン思考浸透難航
2020年、イノベーションを起こすためのマインドセットの変革として、富士通の中でデザイン思考浸透が始まりました。私はその企画を務めています。しかしこれ、既存の価値観を変えていくわけで、当初は全くうまくいっている感がありませんでした(泣)。デザイン思考が広まらない最大の理由は「心理的安全性」が足りないことでした。心理的安全性がなさすぎて自由に発言できない。学んだことを生かそうとしても周囲が潰してくる…
富士通の中でデザイン思考を広めていくためには、その下地として会社文化自体をもみほぐしていく必要がある。打開策として、現場社員の近くで、地位や組織に関係なくフラットに話ができる場を作り広められないか、そう私は考えていました。
とりあえず、社内横断オンライン飲み会をやってみた
「心理的安全Barフジツボ」の始まりは、Yammer「やわらかデザイン脳」(社内SNS)上で意気投合した、私を含む3名で主催する社内横断オンライン飲み会タコツボ(仮名)です。月一で開催し、毎回10~20名前後の社員の方々が参加くださいました。しかしながら、実施してみてわかったことがあります。この手のイベントに参加する人はそもそもモチベーション高く、心理的安全性がなくても動ける方々なのです。しかもイベントでリーチできる人数も限られている。ボトムアップ策で「心理的安全性」を広めていくには限界があるのを私は感じ、悶々としていました。

チャンス到来
そんな折、転機がやってきます。

そうです。富士通に赴任されて間もない福田CDXO/CIOより、何かコラボできないか?というお誘いをいただいたのでした。ボトムアップ策で限界を感じていた私にとって、トップダウン策として心理的安全性を広める可能性を秘めた、またとない機会です。企画書のドラフトを速攻作成し、他のメンバーと対話して仕上げ、福田さんに提示、OKをいただくまで1週間とかからなかったと思います。
その企画書(個人名など一部修正)を、本邦初公開します!



内容は、我々のゴール、ありたい姿、ざくっとした企画案のみ。アイデアの質は後から上げればいい。完成度よりスピードを優先しました。チャンスの神様には前髪しかないと言われます。この一瞬を逃したら一生後悔する。カッコつけている場合ではない。前髪わしづかみです。
上記の企画書を叩きに福田さんと対話して「心理的安全Barフジツボ」」の原型ができあがりました。この手のユルい企画、2023年現在の富士通内では当たり前に見られるようになりましたが、2020年当時は前例がありませんでした。大企業というのは、前例のないことを嫌う、出る杭打たれがちな所です。実際、イベント後に昔所属していたグループ会社の方から「誰の許可をとってやっているのか?」「誰の指示で動いているのか?」と若干批判めいた質問を受けもしました。その時は適当にかわしましたが、マジレスするならこうです。これは本業とは関係ない課外のボランティア活動です。ゆえに基本、関わっているメンバーや支援者以外の誰の許可も必要ないと考えます。しかも社内イベントです。失敗したところで大きく失うものもない。私はこの企画が成功した後に良い方向へ変わっていくであろう会社の風景が見てみたい。だから独自の判断で動くと決めたのです、と。
★企画のツボ: 自分で取れるリスク範囲なら、自己判断でさっさと動く
順風満帆と思いきや…いきなり最終回!?

前身イベントは、ひらまつさんこと平松浩樹CHROを初回の役員ゲストに迎え、2020年12月に初開催。多くの賛同者・協力者の皆さんに支えていただき、終わってみれば大好評。遠い存在だと思われていた役員の方々が、対等に話ができる、気持を通わせることができる同じ人間だということがわかり、心理的安全性が高まっていく契機となりました。社内報に掲載した開催レポートは最も読まれる記事になり、看板役メンバーも一躍時の人となりました。
その後も第2回目(ゲスト:ジュリアンこと大西俊介CRO 2021年4月開催)、第3回(ゲスト:たえちゃんこと山本多絵子CMO 2021年7月開催)と、いずれもポジティブな評価を多く受け、社内のユルい自主活動が、特別ではないこととして定着していきます。
しかしながら、事件が起きます。
第3回目の開催が終わった直後に、看板役からまさかの「辞めたい」発言です。チームメンバー一同、愕然としました。
イベント開始からわずか7カ月で解散の危機です。さて、この困難を乗り越えることができるのか??
(次回へ続く)
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