AI体操採点システム用センサースタンド

武田 真衣 / Mai Takeda Fujitsu Works
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体操競技で使用する富士通のAI体操採点システム用3Dセンサー。

以前は三脚で支えていたため、競技中の振動で揺れるなど不安定であったりと、採点にとって最も重要な正確性に影響が出ていました。より3Dセンサーを安定させるため、60kgのスタンドを採用することとなり、新たにスタンドを覆うカバーの外観デザインをご依頼いただきました。

最終アウトプットとしては、内部のスペース効率を重視しつつ、背面から見た圧迫感を払拭するトライアングル形状によって合理的な造形を実現し、センサーの造形を踏襲することでより一体感のあるフォルムを生み出しました。

後述にもありますが、今では多くの国際大会・全国大会で使用していただいています。

※3Dセンサーに関する記事はこちら (「採点支援システム 」競技のスタンダードを目指す 3Dセンサー デザイン開発の裏側 / 城愛美)

Client富士通株式会社 社会インフラビジネスグループ 社会基盤システム事業本部 特定プロジェクト推進室
Director滝澤友洋 城愛美
Product Designer武田真衣

大会運用におけるデザイン条件

・テレビへの映り込みが少なくなるようスリムであること

・大会会場での限られた設置時間でセッティングが可能であること

・大会に応じて側面の色を変更できること

・センサーの高さ調整に対応できること

・競技中に使用する粉がかかってもすぐ拭き取れること

大会運用におけるこれらの条件を満たすことができ、かつ見た目、そして競技への影響がでないことも考慮し、運用テストと同時進行でデザインを進めていきました。

使用実績

2020年10月に完成し、同年11月以降、多くの国際大会・全国大会で使用していただいています。

・2020年11月8日  Friendship and Solidarity Competition (友情と絆の大会) 国立代々木競技場 第一体育館

・2021年5月15日-16日  第60回NHK杯体操 長野県長野市ビッグハット*

・2021年6月5日-6日  第75回全日本体操種目別選手権 高崎アリーナ*

・2021年10月18日-24日 第50回世界体操競技選手権大会 北九州市立総合体育館

・2021年12月11日-12日 第75回全日本体操団体選手権 国立代々木競技場 第一体育館*

・2022年4月21日-24日    第76回全日本体操個人総合選手権    東京体育館*

・2022年5月14日-15日    第61回NHK杯    東京体育館*

・2022年6月18日-19日    第76回全日本体操種目別選手権    東京体育館*

・2022年10月29日-11月6日    第51回世界体操競技選手権大会    M&S BANK ARENA(イギリス・リバプール)

*:技術検証としての使用

第50回世界体操競技選手権大会
第50回世界体操競技選手権大会
Friendship and Solidarity Competition (友情と絆の大会)

センサースタンドへの想い

元々新体操を経験していたこともあり、体操はオリンピックでは必ず観るというほど興味のあるスポーツでした。今回その体操競技に関するプロダクトをデザインさせていただけたことをとても嬉しく思っています。また、入社後初めて担当したプロダクトであったため、センサースタンドへの想いというものは一際大きいです。

近年、芸術スポーツを中心として「採点の公平性」に注目が置かれています。

技の高度化により審判への負担も大きくなってきていると聞きます。

今後アスリートの実力がより公平に判定されていくことをデザイナーとして、1ファンとして願っています。

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