糸を編む時間 ―気分屋

宮入 麻紀子 / Makiko MIYAIRI Private Works
  • Art Thinking
  • 作家活動
  • 左利きによる編み物
  • 無心になる時間

社会人になってから母にかぎ針編みを教えてもらい、その楽しさ・奥深さを知りました。
それからは、気の向くままに編んでいます。マイペースに作りたいものを編んでいるので「気分屋」です。
最初から販売目的で作ったものはなく、旅先で見たもの、好きなもの、その時々の思いつきが創作意欲になり、こんなのあったらいいなぁという私の気分から生まれたものばかりです。数年前から、作った作品が誰かの気分にもマッチし、いつか気に入って頂けた方のもとへと旅立っていったら素敵だなぁと思いオンラインストアでのギャラリー展示もはじめました。また、友人の赤ちゃんのために笑顔を思い浮かべ、わくわくしながら編むことも大好きです。

Creator宮入 麻紀子        
Shop Card Illustration宮入 美江

私と編み物

私たちの生活に古くからある編み物は、今もその様式はほとんど変わっていません。
編み物の面白いところは、たった1本の糸を編み針で編んでゆくにつれ、面になり立体物へと変化していくことです。中途半端に余った糸でも、その糸の量でできること、他の糸との組み合わせてできることを考えて編み進めていき、自分のイメージしたものへと手の中で着実に変化していく様は、私に充実感を与えてくれます。このように多くの人にとっても糸を編む時間は、自分と向き合う時間だったり自分を満たす時間となっているからこそ、編み物の「糸」と「編み針」という様式は今も変わっていないのだと思うのです。


また、私は少し長い旅に出れる時は編み物の「糸」と「編み針」をもっていきます。
旅先で編むと、その土地ならではの空気や景色、その時々の感情や思い出といったものまでも一緒に編みこんでいる気分になれるからです。こうした感覚は、今まで通りの編み物だけれどこれまでとは少し違った編み物の価値を見出しているように感じています。

現代は次々に新しいものが出てきますが、私は編み物のように変わらないものも大切に続けていけたらと思います。そして、一見変わっていないと思われるようなものでも、時の流れとともに「人」が変わることでそこに見出す価値は変わっていくのではないでしょうか。
私はこれからも編み物を通して、糸を編む時間、編むことで研ぎ澄まされる感覚や価値を考察していきたいです。


             江田島でのワーケーションにて― お世話になった民宿で朝日を浴びながら編み物をする
                 2021年のお正月に向けて―干支である牛をモチーフにしたベビーソックス

DESIGNER

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