AFFECTIVE DESIGN 未来の仮説100

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私たちの暮らしはデジタルテクノロジーによってどのように変わっていくのでしょうか。

「100年人生」と呼ばれるこれからの長い人生において、生まれたての赤ん坊から長生きしている超高齢者まで、各世代におけるデジタルテクノロジーとの付き合い方は多様化していきます。

私たちはデジタルテクノロジーが日常の中に心地よく存在し、生き物のように振る舞い、人と共に成長していく社会を実現していくためにAFFECTIVE DESIGNというコンセプトを掲げています。

その活動の一環で、これからの社会における世代ごとの身体的・社会的な特徴や課題を抽出し、それらに対してデジタルテクノロジーが自然に寄り添うことでどのような新しい日常が生まれていくのかという仮説を描きました。

技術動向をベースにした「訪れそうな未来」ではなく、人間の気持ちや感性を起点にしてデザイナーが描いた「ありたい未来」です。

これらの未来仮説を大判パネルとカードセットという形でまとめ、AFFECTIVE DESIGNを発信するスタジオ(以下、AFFECTIVE DESIGN STUDIO)に設置しました。

Director田中 培仁
Designer鈴木偵之、中島亮太郎、藤本真弘、鈴木祐太郎
Partner永山希美、TAKT PROJECT

人間について考え続けているデザイナーたちが描く未来の仮説

このプロジェクトはこれからやってくる未来をデザイナーが考えるというところからスタートしました。

デザイナーは新しいものを生み出すために常に世の中の最先端を見て情報を集めています。同時に、デザインするものやサービスを使用する人間について考え続けている職種でもあります。そんな人達が人間の感性を主軸において未来仮説を描きました。

例えば、これから生まれてくる赤ちゃんは、身の回りに掃除ロボットや音声エージェントが当たり前にいる空間で育ちます。一方、自分の死を見据えて暮らす高齢者においては、これまでは人は死んだらそれで終わりでした。ですがこれからは自分のライフログや行動データを残すことで、後世の社会に役立てることができるようになるかもしれない。するとその人の最期を迎えるまでの心の持ちようや行動も変わっていくのではないでしょうか。

このように、未来において各年代の人々がどのように暮らしているかを共感できるストーリーを描き、その中に新しいビジネス領域を探求していきました。

各仮説には登場する人の年齢を表す数字が記載されています。それにより、見た人は自分や家族の年齢に近い仮説を探し、自分のことに当てはめて考えるという効果があります。こういった自分事化は、その先のプロジェクトを推進する上でとても重要な要素になります。
 

 

共感を生むために未来をどの粒度で描くか

共感を生むストーリーを作るためには、ワクワクするような未来の魅力と、現実的に考えてありえそうかという視点のバランスが非常に重要です。

この仮説の中では、その暮らしを実現するためのテクノロジーの実現可能性については厳密には記述していません。具体的な技術の詳細について言及すると、見る人はそちらに目が行ってしまい「これほんとにできるの?」「なんの技術使うの?その技術は~」という議論になってしまうことがあるからです。

私たちはこれを見た人達に技術的な実現可能性の話をしてもらいたいのではなく、未来の暮らしの可能性を感じてもらいたい、一緒に議論をしたいのです。

また「医療」や「金融」といった具体的な業種を限定するような表現は控えました。この仮説を見た人自身が触発され「自分の会社の領域に当てはめるとどうなるだろう?」と考える余白を残したかったからです。かといって、AIが何でもしてくれるような未来の話すぎても発想は広がりにくくなります。未来をどの程度の粒度で描くべきかというチューニングは丁寧に行いました。見た人の思考を拡張するような余白のデザインは私たちの腕の見せ所でもありました。

人への届け方のデザインとその先に見ているもの

これらの仮説は最終的に、AFFECTIVE DESIGN STUDIOに飾られるパネルとカードセットという形に落とし込みました。

スタジオに設置するパネルは屏風のような2面から構成され、片方から見るとそれぞれの人の主観的メッセージが語られている面のみが見えます。そこにはデジタルテクノロジーの気配は表現せずに、あくまで人間の視点を大事にしています。

しかし、パネルをもう一方側から見ると、裏でデジタルテクノロジーが人の気持ちや感性を感じ取り、人に自然に寄り添う形で作用している様子が描かれています。

これは私たちがAFFECTIVE DESIGNで実現したい、デジタルテクノロジーが人に気づかれずに、暮らしに自然に溶け込んでいる世界と同じ考え方を表現しています。
 

 

パネルにした仮説は10数個ですが、実際にはそれ以外にもあります。最初に100の仮説を作り、その中から課題や解決策の種類、性別によるバランスなどを鑑みながら、最終的に35個の仮説に絞り、カードセットとして制作しました。

手にとれるカードにすることで、お客様とのディスカッションやアイデア検討時などに取り回しがよくなるようにしました。各カードはパネルと同様に、人の主観メッセージの面と、人に寄り添うデジタルテクノロジーの面で構成されています。

関心の高いお客様や社内関係者にはカードセットをお渡しして、スタジオ訪問後にも私たちの思想を思い出してもらうきっかけになるようにしています。

AFFECTIVE DESIGN STUDIOに来ていただいた時だけでなく、その後の体験まで見据えて設計するのもデザインの一環です。
 

 

私たちは、この仮説で描いた未来がそのまま実現すればいいとは必ずしも考えていません。これらの仮説をきっかけにしてAFFECTIVE DESIGNに共感をしてもらうことが第一です。

これらの仮説は人を起点に考えるマインドセットをするためのもの、そのような考え方に共感してくださる人とつながるための試金石なのです。

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