「富士通デザインセンター」の設立

宇田 哲也 / Tetsuya Uda Fujitsu Works
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2020年7月1日、富士通デザイン株式会社(以下、FDL)は富士通株式会社に吸収合併され、富士通デザインセンターとして再スタートを切りました。富士通本体にデザイン部門を発足させる準備に取り掛かった2020年2月頃から、デザイン部門の提供価値、役割と責任、組織構造、事業計画などの”組織デザイン”を進め、経営会議での承認と吸収に必要な準備期間を経て、7月1日に正式にスタートしました。

Designer宇田 哲也

富士通のDXビジネスと富士通自身のDXのために

5月14日に公開された「連結子会社との吸収合併(簡易吸収合併)契約締結のお知らせ」(*1)にもあるとおり、デザイン部門の発足に向けての一つの大きなテーマが「いかに富士通のDX (Digital Transformation)ビジネスに貢献する部門になるか」でした。

「本合併を通じて、当社の各事業部門とFDLのデザインリソースの連携を強化し、デザイナーの上流コンサルティングフェーズへの参画や、社内におけるデザイン思考の浸透を加速することで、当社グループのデザイン経営やDX ビジネスにおける提案力の一層の強化を実現します」

DX自身の定義に関しては、例えば経済産業省が公表した「DX推進指標とそのガイダンス」(*2)の中で、「データやデジタル技術を活用する上でも重要な視点は顧客や社会のニーズに応える」だとされています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

顧客の事業部門やIT部門のIT課題を解決する、SI (System Integration)ビジネスを長年生業としてきた富士通に取って、「顧客や社会のニーズを起点とする」DXビジネスに変革することは大きなチャレンジですし、「顧客や社会のニーズ」を常に最優先に考えるマインドセットを持つという点でも”富士通自身のDX”が必要不可欠でした。
 

デザイン経営推進とデザインセンターの活躍

7月1日以降、富士通社内でデザインは「企業価値向上のための重要な経営資源」として認識されており、企業のあらゆる活動に対してデザインを活用する「デザイン経営」を推進しています(*3)。
 

また、より一層富士通本体や富士通グループとの一体感を高めた状態で、DX製品・サービスの開発や上流コンサルティングへの参画、コーポレート部門との協働、社内外パートナーとのエコシステム、人や企業文化へのデザイン思考の浸透を通じて、デザインドリブンな企業変革を継続して起こす挑戦を行っています。
 

編集後記(ポストスクリプト)

「富士通のDXに貢献する」ためのDX変革者として入社を決めてから1年が経過した。デザインの知識はないがグローバルで戦って来たデジタル屋の自分と、デザインメンバーとの補完的コラボレーションで始まった富士通デザインセンター。お互いの誤解もたくさんあったし、これからもすれ違いは何度も起こるだろうけど、「社会に価値を発揮したい」という強い信念は共通に備わっていると思う。お互いの違いを認め合い多様性を受け入れる、ダイバーシティ&インクルージョンの精神をもって相互リスペクトすること。それがある限り富士通デザインセンターはまだまだ成長出来ると思うし、これから革新的な年がやってくる予感がする。「デザインセンターに革新をもたらす」。

*1: 連結子会社との吸収合併(簡易吸収合併)契約締結のお知らせ https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html
*2: 「DX 推進指標」とそのガイダンス 令和元年 7 月 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf
*3: 富士通のデザイン
https://www.fujitsu.com/jp/about/businesspolicy/tech/design/

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