クリエイティビティを刺激する「生け花ワークショップ」

宮武 志保 / Shiho Miyatake Fujitsu Works
  • 生け花
  • 社内勉強会
  • ファシリテーション

弊社では社員同士学びあう勉強会を定期的に開催しています。勉強会のテーマと講師は毎回異なります。業務で培ったノウハウの共有もあれば、趣味が高じて人に教えられるまでなった技術の共有など様々です。お互い学び合い、かつ普段一緒に仕事をすることのないメンバと交流する貴重な機会にもなっていて、ゆるくつながる大切な場になっています。
その勉強会で私は生け花を体験してもらうワークショップを企画・実施しました。

Planning & Facilitation宮武 志保
Photo高野 一樹

作って・言葉にして・もう一度作る

生け花は何年も稽古を重ねる中で花を見る目を養い、花を生かす心を培っていくような芸道です。半日の短い時間で体感していただくにはどうしたらよいか。また、この体験を業務にどうつながるかを考えました。考える中で「プロトタイピング」というキーワードが出てきました。プロトタイピングはコンセプトをすばやく形にし、振り返りやレビューを得て改善を繰り返す手法および過程です。生け花の稽古の工程もプロトタイピングと重なる部分があります。生け花はまず、花・器・季節・行事などから着想を得て自分なりに作品を生けます。生け終わると先生に作品の意図を尋ねられます。生徒の意図をくみ取り、さらに上の視点を形にする先生の手直しがあります。
生け花を実務に生かせそうな実感が得られたところで、「生け花に学ぶプロトタイピング -作って・言葉にして・もう一度作る-」というテーマで参加者を集いました。想定よりも多くの希望者が集まり、2回に分けて実施することになりました。
 

生けている様子

人に教える過程で学ぶ

生け花にはさまざまな生け方がありますが、親しみやすい「自由花」を生けていただくことにしました。「自由」といっても何でもありというわけではありません。生け始める前に、どんなところをポイントにしたらよいか、少し手法寄りの話もしました。皆さんさすがデザイナー、色の統一感などは教える必要もなく、素敵な作品に仕上げていました。

生け終わるとお互いの作品について自然と会話が始まっていました。どんな花を主役にしたのか、気に入っているポイントなど。終わった方から手直しを始めました。人の作品の手直しをするのは初めての経験でしたし、ほとんどの方が仕事の上では先輩ということもあり非常に緊張しましたが、「手直ししてもらえてより素敵になった!」と言っていただけたのでほっとしました。
 

生け終わって記念撮影

社外に活動を広げる

参加された方の満足度も高かったと評価いただき嬉しい経験になりました。その後、勉強会に参加してくださった方がお子さんむけにワークショップを企画してほしいとお声がけいただきました。始めてお花を触る子ばかりと話を聞いていたので今回は「お花遊びって楽しい」と感じていただけるようにお花で動物を生けてもらいました。池坊では「遊心(ゆうしん)」というスタイルになります。
怪我だけは注意しながら、基本的には自由に生けてもらい、悩んだら少し後押しするアドバイスをしました。夢中で楽しむ子どもたちを見ながら、純粋にしたいことを楽しむことの大切さを実感しました。
 

子どもたちが生けている様子

また、ワークショップを通じて自分で企画したり、人前で話をすることが楽しいなと感じるようになりました。
この経験はその後のクリエイティブ実習(入社4年目教育)にも生かされているように感じます。クリエイティブ実習についてはまたの機会にまとめます。

DESIGNER

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