Fishtech養殖管理 -CONCEPT-

Private Works
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開発リーダー兼デザイナーという役割で携わった養殖管理システム「Fishtech養殖管理 -CONCEPT-」。

Fishtech養殖管理は、どこにいても、だれにでも養殖管理ができるシステムです。水温・水質を測るセンサーと水中カメラをIoT化することで、どこにいても水槽の状況が把握でき、生きものごとに適した水質を保てるので、一つの水槽で複数の種を管理できます。また、すべての作業実績がクラウド上に保存されるため、育成ノウハウが毎日蓄積されていきます。PCやスマートフォンなど、各自が使い慣れたデバイスで操作することができ、老若男女問わず作業を分担できます。

Producer小葉松知行(富士通株式会社)
Director國村大喜 (富士通デザイン株式会社)
Designer & Engineer 
國村大喜、吉田昇平(富士通デザイン株式会社)
房野雅史、石橋治樹(富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社)
藤田友貴(株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ)
渡邉瞬丞(岩崎通信機株式会社)
馬場隆宏 (富士通株式会社)
※ GOOD DESIGN AWARD 2019 受賞時メンバー
 

ゼロからイチへ。システムまるごとデザイン。

社内ビジネスコンペ優勝、モックアップ提案、プロトタイプ実証、フル機能版開発へ。 現代のモノづくりを体現する、デザインプロセス・事業化プロセスは、ドラマチックなものでした。

起:志によって出会った「水産の仕事」

ことの始まりは2017年にさかのぼります。富士通社内のハッカソンで提案した企画が、公式採用されサービス実装されたタイミングでした。名前は「System of Passion Engagement」。自身の志や興味ある事柄を公開することで、人事データベースに現れないピッタリの人材を探し出し、アサインできるという社内SNSです。
私はこれに、「水産がやりたい!魚を増やしたい!」と記載しました。それが偶然にも、新規ビジネスをミッションとしていた部隊の目に留まり、すぐに連絡が入りました。「社内で魚に詳しい人材を探している」。自ら提案した仕組みの中で、本当にやりたかった仕事と出会った瞬間でした。
のちに社内コンペにも共同出願しFishtechのプロデューサーとなる小葉松マネージャー、および1年後に異動することになる営業支援部隊とのご縁が始まった瞬間でもあります。

  

現場で使用されるFishtech養殖管理。ここに至るまでに数々のドラマがあった。

承:デザイナーの本領発揮「養殖管理アドバンスデザイン」

日本はここ30年で、漁獲量が1/3にまで低下しています。世界においても人口爆発の中で、天然の水産資源は急激に減少しており、SDGsなど人類の共通課題のひとつにも挙げられています。水産業の喫緊の改革が求められる中、特にタンパク供給源としての養殖は絶対に発展させなくてはならない領域です。

これらは、私個人の想いを超えて、魚を食べるあまねく人達にとって無視することのできない課題と言えます。そういった大義ある提案として、富士通グループ社員全員が参加する社内コンペにエントリー。結果、多数の応援を得て最優秀賞を受賞することができました。「頑張ってくれよ!」と当時の副社長からエールをいただき、熱い握手をしたのを覚えています。

その後、2018年の春、私は水産事業を本格的に立ち上げるためデザインから営業支援部門に異動。養殖業界の方々にヒアリングしながら仕込んだ次の一手こそ、今に至るひな型となる「養殖管理アドバンスデザイン」です。当時、日本において、先進テクノロジーが統合された養殖管理システムは確固たるものが無い状況でした。水産業界に広いコネクションを持つ営業、第一線で活躍するプログラマー、一次産業クラウドを支えてきたシステムエンジニアといった仲間達と共に作り上げた、 未来の養殖デモは高い注目を浴び最初のお客様である神恵内村様との出会いに繋がりました。

IoT・AIを活用した養殖管理のあるべき姿を描いたデモ画面

転:プロトタイプ実証「神恵内村様との出会い」

神恵内村は、人口900人に満たない北海道で一番小さな漁村です。かつては漁業で栄えた神恵内村ですが、密漁や乱獲、近年の地球温暖化に伴う磯焼け等、漁業経済を取り巻く環境は厳しさを増しています。一方、ニセコ、アジア圏などの水産物への依存はますます拡大しています。こういった背景の中、村は新たな地域産業としてウニ・ナマコの陸上養殖を企画していました。ICTを活用し、ウニ・ナマコの養殖を確立、漁業から養殖へ雇用をシフトし、かつての賑わいを取り戻したい。Fishtechの描く未来像と神恵内村のビジョンが合致し、2018年の秋、私たちは神恵内村再生のコアメンバーとして迎え入れられました。
実証実験開始に向けてプロジェクトは加速します。私はものづくりに注力するため、営業部門からデザイン部門へ戻り、富士通社内外の最高のメンバーと共に急ピッチで開発を進めました。マルチデバイス対応のクラウドシステムを構築、無事にリリース。2019年の3月、寒い寒い日に実証実験が開始されました。

  

白菜をウニに給餌する、神恵内村の水産技術員。

結:すべてはこれから

神恵内村様の事例をきっかけに他のお客様とのご縁も広がりました。対応魚種を増やすべく、ICTインフラを得意とする事業部メンバーも加わりシステムを再構築。実証実験の現場からいただいた要望や、予定していた機能群を加えたフル機能版です。この記事を書いているたった今、開発の最終段階にあります。
パワーアップした「Fishtech養殖管理」を携え、新年度も新たな出会いとチャレンジが待っています。すべてはこれから、です。

  

神恵内村の高橋村長と、(株)沿海調査エンジニアリングの大塚社長。志をひとつに。

為せば成る。

釣り人である私は、水辺の生き物がどんどん消えていく現実を肌感覚で知っています。なんとかしなくてはという課題感を持ち続けていたときに現れたのが水産ICTの世界でした。水産ICTは、自分が培ってきたUIデザインの技術を活かすことが出来、なおかつ世のため人のためになる大切な領域です。お客様と仲間に対する感謝の念とともに、責任とやりがいを感じながら日々取り組んでいます。

為せば成る。為さねば成らぬ、何事も。成さぬは人の為さぬなりけり。
水産資源を次世代に残すため、これからも全力で頑張ってまいります。

  

Fishtech養殖管理 開発メンバー

「持続可能な水産業のために」北海道神恵内村のウニ・ナマコを世界へ ~ICTで進化する陸上養殖~ 前編
「小さな村が生きる新しい道」北海道神恵内村のウニ・ナマコを世界へ ~ICTで進化する陸上養殖~後編
ICTで進化する水産業 FUJITSU Fishtech®
  

AWARDS

総務省 ICT地域活性化大賞(奨励賞) →映像はこちら
GOOD DESIGN AWARD 2019
IAUD国際デザイン賞 2019 銅賞
 

※Fishtechは、富士通株式会社の日本における登録商標です。

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